目隠し

「ねえ、ジョウイ。たまにはこんなのどうかな」
といってコウリが広げたのは、いつもコウリが首に巻いているバンダナ。
「こんなのって?」
「これでさ、目隠しするんだ。ちょっと刺激的じゃない?」
「何考えてるんだっ。別に僕は刺激なんかなくっていいよっ・・・・・」
「別にジョウイに目隠ししろなんていってないよ。これは僕がするの」
「え・・・・?」
「ジョウイ、見られるの恥ずかしいって言っていつも明かり消すじゃない。だから僕が見てなければいいんでしょ。ほら、こうして・・・」
コウリの目が、黄色いバンダナに覆い隠される。
「ね、これで僕には君が見えないから。明るくても恥ずかしくないだろ」
「それは・・・そうだけど」
「あ、僕が覗き見してないか疑ってる?いいよ、ジョウイ自身で確かめてよ。ほら・・」
「・・・・うん、ちゃんと隠れてる」
「だろ?じゃあ今日はこのまま明かりつけたままやるからね。ジョウイ・・・・」
「・・・・・・んっ・・・・・」
「・・・・見えないとやっぱりやり辛いね。服脱がしにくいし・・・ジョウイ自分で脱いでくれる?」
ジョウイは真っ赤になってそれから小さく頷いたが、その仕草がコウリに見えていないことに気づいて、慌ててうん、と蚊の鳴くような声で返事をした。
ジョウイが服を脱ぐのと同時に、コウリも服を脱ぎ始める。
服を脱ぎ終わると、手探りでジョウイの唇を探し当て、そっと唇が触れてきた。
「なんかすごくドキドキする・・・・」
一つ一つ確かめるように触れてくる指先に、ジョウイの心臓も早鐘を打っている。
いつもと違う触れ方。愛撫の仕方。見慣れたコウリの顔が、目が隠されているというだけで知らない人のようだ。
「あっ・・・・・・」
自分もいつもより感じやすくなっている。確かに目隠しというのは刺激的かもしれない。
いつもならコウリの熱を帯びた視線に居たたまれなくなり、シーツの中に隠れてしまいたくなるのだけれど、コウリのヘイゼルブラウンは今は黄色いバンダナの下だ。あの視線に見られていないというだけで、どこか安心感がある。
だが視界の塞がれているコウリにとって、甘いジョウイの声はいつも以上に彼を刺激しているらしかった。
触れている部分が熱を持ち始めたのを感じて、ジョウイは顔を真っ赤にしてこれ以上声が漏れないように手で唇を覆い隠した。
「ジョウイ、ジョウイ・・・もっと声を聞かせて・・・・」
必死に声を殺しているジョウイの耳元に、熱っぽい声が注ぎ込まれる。いやいやするように首をふると、その気配が伝わったのかコウリが実力行使に出た。
「・・・・ぁっん・・・・・・・・・・・っ・・・・」
熱くなり始めたジョウイ自身を手のひらで擦り上げる。同時に唇は胸の小さな飾りを啄ばんできた。かりっ・・・と歯を立てると、ジョウイの体がびくんと跳ねる。
「僕には君が見えないんだ・・・せめて、声を聞かせてよ・・・・・」
哀願するような声に、ジョウイは僅かながら食いしばった口元と手のひらを緩めた。とたんに溢れ出る甘い響き。
「あ・・・・んっ・んっ・・・ん・・・・・ぁっ・・・・・」
「うん・・ゾクゾクする。ジョウイのその声・・・・・・わかる?僕が君の声に感じてるの・・・・」
「わか・・・・る。熱いよ・・・君の・・・・は・・ぁ・・・っ」
「君のイク顔が見れないのは残念だけど・・・そろそろ達かせてあげるね」
コウリが体制をずらし、ジョウイの腹を指先で辿りながら少しずつ下のほうへ降りていく。やがて目的の物を探し当てると、手のひらを添えて口に含んだ。
「ぁあ・・・んっ・・・・んんっ・・・・・・」
舌で丹念に愛撫する。高められていたジョウイ自身は、大して間も置かずに開放された。
「ああ――――!」
「・・・・・・良かった?ジョウイ。いつもより早かった、かな」
嚥下しそこなった残滓を指で拭いながら、コウリが笑った。唇だけの笑みは、ジョウイの羞恥心を一層煽る。
「そんな・・・・・」
「恥ずかしがらなくてもいいよ。・・・・僕も興奮してる。君の声を聞きながら、今ジョウイはどんな顔をしているんだろうとか、想像して」
ジョウイの放ったもので濡れた指先を、最奥に触れさせながら。
「・・・イキそうになる」
「ひっ・・・・・・・」
ゆっくりと潜り込んでくる異物に、ジョウイの体が拒否反応を示す。
その抵抗を無視して、指は奥へ奥へと進入を試みる。
「ほら、今どんな顔してるのかな。辛くて泣きそうな顔?それとも今にもイキそうな顔かな」
「や・・・だ。コウリ・・・・」
「何が嫌?こうされるのが?」
「ちがっ・・・・・言わ・・な・・・いで・・・・」
「何を言わないで欲しいの?言わなきゃ判らないよ」
「いや・・・だ・・・・・っ・・・」
「ジョウイ?」
やがてひっくひっくとしゃくりあげるような声が聞こえてきて、コウリは驚いて手を止めた。
「ジョウイ・・・泣いてるの」
「・・・・っ・・・・僕は・・・やだって・・・・」
「ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ。駄目だね。見えないのは刺激的でいいけど、顔が見えないと君の限界が判らないや」
するりとバンダナが外され、コウリの瞳が開かれた。
「ごめんね、ジョウイ・・・。何が嫌だったの・・・」
ヘイゼルの瞳がジョウイの姿を映し出す。涙で潤んだ瞳を間近に見て、ああやっぱり目隠しするなんて勿体無いと思う。
こんな綺麗なものが見れなくなるなんて。
瞼にそっと口づけすると、ジョウイが恐る恐るコウリを見上げてきた。
「嫌だよ、あんなのは・・・。言葉であんなふうに・・・いわれるのはやだ・・」
「ごめんね、もう言わない。大好きだよジョウイ。許してくれる?」
「うん・・・・」
今度は互いの瞳を見つめながらのキスを交わす。





本当は目隠しなんかしなくても、ほら君の瞳はこんなにも刺激的。
それだけで、僕の心はイっちゃいそうになるくらいにね。







END




恥ずかしいですっ。この二人はっ!!乙女なジョウイとドリーマー主人公(笑)受けの目隠しというのはよく見かけるので、攻めを目隠しして見ました。でも鬼畜になりきれない主人公ではこの程度・・・・。坊テッドも無理だし、坊ジョならジョウイが泣いて泣いて気失うまでやっちゃうかもしれませんね☆





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