おまけのアスバージョン


スノウ:「やっとみつけたよ、アス。手伝ってくれって言っておきながら、肝心の君がどこにもいないんだもの。サボってるとしたら十中八九ここだと思ったけどね。さあ王宮に戻るよ。僕も手伝うから、なんとしても今日中に終わらせよう」
アス:「え…スノウ?手伝うって…」(手を引かれて歩きだす)
王宮の一室で。
スノウ:「ハンコを押したらこっちにくれ。僕が綴じていくから」
アス:(訳が判らないままハンコを押し始める)(『オベル入国記録』…?どうして僕はオベルにいるんだろう。昨日の夜までラズリルのスノウの家にいた筈なのに。それにスノウもどうして平然とこんな事をしてるんだろう)
スノウ:(作業が終わり)「お疲れ様、アス」(突っ伏していたアスの頬にレモン水の入った冷たいコップをあて)
アス:「っ……!あ、ありがとう…」(コップを受け取り、一口飲んでレモン水だと判ると一気に飲み干し)
スノウ:(はちみつレモンを飲みながら)「ところで今日は随分大人しいね。体調でも悪い?疲れたかな」
アス:「そんな事ないけど…」(状況がつかめなくて困惑中)
アス:「……なんでオベルにいるんだっけ」
スノウ:「嫌だなあ、ボケたのかい?騎士団の休暇で君の里帰りにオベルに来たんじゃないか。リノ王も王妃様もフレア王女も、凄く喜んでいたね。君は帰るのを渋っていたけど、休暇の時くらいは家に帰るべきだよ」
アス:「…………」(どうなってるんだ?)
スノウ:「さて食事にしよう。広間に行くかい?でもちょっと疲れたね…君の部屋で食事でもいいかな」
アス:(よく判らないから)「スノウに任せるよ」
スノウ:「おやおや、王子様は召使も呼べない程お疲れかい?じゃあ僕が指示を出しておくよ」
スノウ:(ベルを振って侍女を呼び、食事をアスの部屋に運ばせるよう指示)「じゃ君の部屋に行こうか、アス」
アス:「うん……」(スノウの後についていく)
食事が終わる。
スノウ:「なんだか本当に元気がないね。具合でも悪い?それにその赤いハチマキ…どうしたんだい?似合うけど王子が付けるには少々不釣合いだね。外した方がいいよ」
アス:「……!……違う…」
スノウ:「アス?」
アス:「………どうしてそんな事言うんだ……」(このハチマキは、君が僕にくれたものなのに!)
スノウ:「……大丈夫かい?本当に」(近寄って額に手を当て、熱を測る)
アス:(びくっと大きく身を震わせ)
スノウ:「どうしてそんな目で見るんだい?……ああそうか」(納得したように)「新しい遊びだね。全く…」
スノウ:「僕を思い出して、アス」(その場に膝を着き、アスの両頬に手を添え口付け)「……記憶喪失ごっこかい?僕のキスで記憶は戻った?」(優しく微笑み)
アス:「……!!!!」(硬直)
スノウ:「まだ駄目かな?仕方が無い…今日は僕にやらせる気だね?」(手を伸ばしてアスのズボンのべルトを外し)
アス:(我に返る)「な……何するんだ、スノウ!」
スノウ:「今日は僕にリードさせたいんだろう?頑張ったご褒美だ。君はじっとしてていいよ」
アス:「!!や……っ」(スノウを押しのけ、窓から飛び出し)
スノウ:「アスっ!」
オペル港近くに身を隠す。
アス:「……あれはスノウじゃない…スノウだけとスノウじゃない…」
スノウ:「アス、怒らせたならごめん。出てきてよ」
スノウ:「そこにいるのか?」(アスの隠れている辺りに近づいて行き)「……うわっ!」(足を滑らせる)
アス:「!危ないっ」(よろけそうになったスノウを庇って飛び出す)
スノウ:「アス!」
アス:「っ……」(スノウを庇って海の中に落ちる)
 


<<-戻る