Happy Happy Valentine 





+前日(13日)+


明日はバレンタインデー。好きな人に想いを込めてチョコレートを渡す日だ。
僕が今いる台所には甘〜いチョコレートの香りが漂っている。バレンタインの前日にチョコの匂い、とくれば判るよね。そう今僕らは好きな人に渡す手作りチョコレートを作ってるんだ。
本当は女の子が男の子にあげるものらしいけど、生憎僕らは男同士だからね。僕の好きな彼はあんまり料理が得意じゃないし、毎年僕が作ってあげてるんだ。
「コウリ、この後どうするのさ」
声をかけられて振り返る。言ったろ、僕らはって。そう今僕たちは二人で手作りチョコを作ってるんだ。
「溶けたら今度は水を入れたボールに入れて冷ますんです。30度になったらまた声かけてください」
「うん」
もう1人のチョコを作ってる人、誰だと思う?・・・・・シオンさんなんだ。テッドさんにあげるんだって。
チョコを作るの初めてだっていうから教えてるんだけど、へへへ、ちょっといい気分♪
僕がシオンさんに教えることがあるなんてさ。
とりあえず初めてだそうだから、1番簡単なのをつくることにしたんだ。刻んで、溶かして、型に入れるだけの。
あとはちょっと見栄えを良くするために、アルミカップにチョコを入れて固めて、そこにレモンを入れて味を整えたクリームチーズを搾りだしたのも作るつもりだったんだけど。
――――型に入れるのだけにしたほうが良さそうだ。
シオンさんは料理に関するセンスはちょっと・・・・かなり無いみたいだった。
チョコを刻んでといえば塊に割るし、ボールは濡れたままチョコをいれようとするし(チョコに水分は厳禁だってさんざん言ってたのに)、湯せんにかけるのに溶けるのが遅いって言って熱湯使うし、大変だった。
実はこのチョコは三回目なんだ。実のところかなり作るの嫌になってるみたい。でもあとちょっとだから、もう少しがんばってくれるといいんだけど。
僕は今年はトリュフを作ってるんだ。しかもコーヒーとビターとアーモンドの三種。熱を嫌うトリュフを作るのは面倒なんだけど、ジョウイが喜んでくれるならがんばらなきゃね。甘いもの苦手なジョウイのために、ビターチョコを多めにして、ビターにはラム酒をアーモンドにはブランデーを加えて大人の味に。
ガナッシュクリームができたところで冷蔵庫で30分冷やす。さて、シオンさんはどうなったかな。
「シオンさん、どうですか」
「そろそろいいと思うけど・・・」
どれどれ・・・・・・・・・・まあいいでしょ。
「もう水から出していいですよ。後は型に入れましょう」
ハート型にたっぷりとチョコを流し込む。後は冷やして固めて出来上がりだ。
「さて、後は固まればOKです。上手くいきましたね!」
「チョコ作りがこんなに大変だとは思わなかったよ・・・ありがとうコウリ」
「どう致しまして。固まったらラッピングしましょう。二人とも喜んでくれるといいけど」
「僕たちの愛がこもってるんだ。喜ぶに決まってるよ」
「そうですね。明日が楽しみです」
ジョウイ、喜んでくれるかな。




明日は恋する人の為の、ST.Valentine's Day。









+当日(14日)+

   坊テッド編        主ジョウ編









































+翌日(15日)+

「どうでしたか、昨日は」
「もうバッチリだよ。君の方もうまく行ったみたいだね」
「はい。ジョウイ綺麗でしたv」
「確かにジョウイは美人だけど、テッドの魅力には叶わないよ」
「そんなことないですっ。ジョウイの魅力だって負けてません!」
「まあ、誰しも自分の恋人が1番魅力的だよね」
「そうですね」
「次の行事はなんだっけ」
「ホワイトデーですね。ああ、ひな祭りもあるかな」
「その後は花見があって・・・・」
「子供の日は、理由つけらんないしなあ」


記念日にかこつけて恋人と甘い夜を過ごそうと計画する、アニバーサリー男二人の会話は何処までも果てしない・・・・・。





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