体一つで立てる、音。

「サナ…もっと…声聞かせろよ」
耳元で囁かれる濡れた熱い声。
「俺の声で感じる…?」
かすれがちな返事。繋がった部分から洩れる、滑り気のある水音。
「…うん……かわいい。…………熱い、な」
抱えあげられ、肩に乗せられた足が軋む。
「…俺もテッドの声で感じるよ……ゾクゾクする」
頬に、反らした喉に触れてくる唇の、奥に潜む舌がたてるぴちゃりという音は、耳に近い分生々しい。
互いの唾液が混ざり合うような深い口付けに、激しくグラインドする腰に、サナの喉をつく喘ぎが嬌声に近くなる。
「う……ん…ああっ…テッドぉ…」
「さな…かわい…っ…」
「……あ、あああっ……!」
ぶるっと体が震え、サナが絶頂を迎えた。その締め付けで、テッドもサナの中に吐き出す。
体と体がぶつかり合う激しい音の代わりに、二人の荒い呼吸音が室内を満たしていく。
「テッド…」
「……ん?大丈夫か?痛いところとか…ないか?」
ちゅっちゅっと顔中に優しいキスを落としながら、テッドが訊ねる。
「平気だよ。凄い気持ちよかった。……テッド抱くのと同じくらいに」
ほわっと柔らかく微笑み、抱き寄せる。テッドの顔に安堵の色が浮かび、続けて発せられた言葉に、にっと笑った。
「俺もお前に抱かれるくらい気持ちよかったよ」
「テッドとなら、抱くんでも抱かれるんでもどっちでもいいんだ。どっちでも気持ち良くなる」
すり寄せた頬がさらさらと擦れあう。気持ちいい。
「俺はどっちかっていうと、抱かれるほうが好きだなぁ…」
「じゃ第二ラウンド行く?ポジ変えて」
サナの目がくるくると悪戯っぽく輝いた。
「へ!?………おまえ、どこにそんな体力があるんだよ……」
「大丈夫だと思うよ。俺若いし鍛えてるし。だから抜いて、コレ」
「ひゃ……っ、待て…っ…」
腰を軽く動かして催促すると、伝わった微妙な振動にテッドが慌てて自身を抜いた。
同時にあふれ出したどろりとしたものを見て、サナが残念そうに呟く。
「本当はずっと入れて置きたいんだけどな。女だったら入れて置けるんだろうな」
「……副産物もできるけどな」
とんでもないことを、冗談ではなく本気で言っているサナに苦笑する。
サナは一旦体を起こしテッドを抱きしめると、再びベッドに転がった。今度はサナのリードだ。
「テッドの子供なら産みたいよ、俺」
「…無理言うなよ」
くすくすと互いの喉から洩れる忍び笑い。
「目を閉じたテッド…かわいい…」
伏せられた瞼に、ちゅっちゅっと子供のようなキスをする。
「はいはい…贔屓目だなぁ」
「贔屓目なんかじゃないってば……本当にかわいいの」
首筋から胸にかけてをつーと舌で辿り。
「ん……っ…」
「ほら、かわいい………」
途端に上がった甘い声に、サナが笑った。
「うー……」
小さく唸るテッドに口付け、今度はサナがテッドを愛しむ。
さらさらと流れる髪を、僅かに開いた唇を、しっとりと汗で湿った肌を。

何も纏わない裸同士で紡ぎ出す、音。
それはなんて幸せな。








リバシは対等な関係って感じがして好きです。表に置いていいギリギリの内容だな…(爆)


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