密かな願望?
……僕は夢を見ているんじゃないだろうか。 目の前にいるのは、僕の親友にして一生の想い人であるテッドだ。うん、それは間違いないんだけど……。 「どうかしたか」 不思議そうに僕の顔を覗き込んでくるテッドに、ひきつった笑いしか出てこない。 だってそうだろ!?目の前にいるテッドの胸に、ふんわりとした膨らみがあるなんてことになれば! 「………なんで胸があるんだよ……」 テッドの胸で自己主張している二つの柔らかいもの。昨日まではなかったはずだ。絶対に。 「はあ?何いってるんだよ。女なんだから胸くらいあって当然だろうが」 頭の中で、呆れたようなテッドの声がぐるぐると回る。女……女だったのか?テッドは。僕が知らなかっただけで? 「こんなガキが一人で生きていくには、男の格好の方がいいからな……。それはお前も知ってただろ」 「そう…だったっけ………?」 「そうだよ」 ふわりと笑うテッドに、なんだかそんなことを聞いたような気がしてきたけど……。 ………だったら僕の記憶にある、男のテッドとのHはなんだったんだ。 もう何回か寝てるはずなんだけど……あれって夢? 「どうした?何考え込んでる?」 テッドが僕の髪を優しく撫でる。まあもうそんなことはどうでもいいや。今目の前にいるのがテッドであることに変わりはないし、そして何より……今僕らは裸だった。 そうなると、テッドの細い体に大きくもなく小さくもなくちょうどいい大きさで収まっている二つの胸と、きゅっとくびれた細いウエストと、そこからの丸みを帯びたライン。ベッドの上にちょこんと座って僕を見上げるその姿は、実に扇情的だ。 そう今の状態は、まさにこれからHしま〜す以外の何ものでもなかった。 据え膳は頂かなくてはいけないよな、うん。 「テッド……」 腰を抱き寄せて口付ける。そのまま背に手をあてゆっくりと押し倒すと、ベッドの上にテッドの髪が広がった。 「シオン……」 恥ずかしげに僕を見上げてくるテッドの唇を貪りながら、胸のふくらみに手を添える。横になっているのに脇に流れず、ぴんっと上を向いているテッドの胸は片手ですっぽりと収まる大きさで、実に僕好みだった。 「や………ぁんっ……」 ベッドとテッドの背の間に手を通し、向こう側の胸を優しく揉みしだく。こちら側の胸は舌でその赤い突起を愛撫する。ちゅっちゅっと軽く吸い上げてやると、すぐに固く立ち上がり始めた。 「テッド……かわいい……」 空いたもう片方の手を、固く閉じられている下肢に触れさせる。一瞬テッドの体がびくんっと跳ねたけど、抵抗はなかった。 「ちょっとだけ……足、ひらいてね」 耳元で囁いてやると、恐る恐るといった感じで足が開かれる。そんなに開いたわけじゃなかったけど、テッドを愛するには十分だった。 もぐりこんだ指に、熱く絡み付いてくるテッドのナカ。 敏感な部分を探り当て中指で強く擦りあげてやると、テッドの喉から甘い喘ぎがこぼれた。 「気持ちいい……?」 「や……聞くなよぉ……」 真っ赤になって顔を背けるテッドがかわいくて、僕は再び感じやすい三箇所への同時の愛撫を始める。 片手は立ち上がった胸の飾りを指で激しく擦り上げ、時々強く揉んでやる。手のひらに感じる硬い突起が心地よくて、爪で引っかくようにしてやると、頭上で上がる声がますます艶めいてきた。 「ちょっと待ってね……」 一旦体をずらして、テッドの足の間に体を滑り込ませる。両足を掴んで大きく開かせると、テッドが慌てて体を起こそうとした。 「やっ……シオンっ……」 「……今、気持ちよくしてあげるから…」 テッドの体を再びベッドに戻し、密やかな部分にそっと舌を這わせる。今までとは比べ物にならないくらい甘い声が、テッドの唇から洩れ始めた。 「あっ……あっ……やっ…ぁっ……んんっ…あっ…あんっ…」 嬌声は途切れることを知らず、その声で僕自身も高ぶってくる。シーツを掴んで、快楽に耐えるテッドの姿に、もっと追い詰めたくて指も使ってひたすらテッドを追い上げる。 やがて、びくびくっとテッドの体が震え、それから放心したように力が抜けた。 「………イけた?」 「………うー………どうしてお前はそういう事をきくんだよお…」 枕を抱えて顔を隠しているテッドの言葉は、僕の質問を肯定していた。 「だって君を気持ちよくさせたいんだもん……イけたよね。だってここ、こんなだし」 テッドの中で遊ばせている指を軽く動かすと、くちゅっ…と濡れた音を立てた。 「や………やだって……」 「………僕のもしてくれる?」 「えっ……」 一瞬何を言われたのかわからないといった顔をしたが、次に一気に耳まで赤く染まる。 「テッドにして欲しいな……駄目?」 「………………」 テッドが状態を起こして、僕の前にかがみこむ。テッドがやりやすいように横になると、意を決したようにテッドの唇が僕自身を包み込んだ。 「……んっ……」 ぎこちなく僕自身に舌を絡めるテッドの姿にゾクゾクする。その愛撫は決して巧みではなかったけど、テッドがしているというだけでイキそうになる。 やがて僕自身がテッドの口に納まりきらなくなった頃、テッドが縋るような目で僕を見上げてきた。 「……ん……もう、いいよ……」 テッドの肩を叩いて体を起こさせると、ほっとしたように溜息をつく。ちょっと苦笑い。 再びテッドをベッドに横にならせ、両足を肩に抱え上げる。 「……いくよ……」 「……ん……」 耳元で囁いてやると、微かに聞こえた頷き。 熱くなった自身をあて、僕はゆっくりとテッドの中に押し入った。 「おーい、起きろってのっ」 温かい布団を一気にはがされ目をあけると、テッドが両手を腰に当てて呆れたように立っていた。 「もう昼だぞ。いい加減に起きろよ」 「ん………あれ、テッド。男に戻ってる」 起き上がってテッドのぺったんこの胸に手を当てる。布で巻いて押さえつけているわけでもなさそうだ。 「何寝ぼけてるんだよ。俺に胸があるわけないだろうが。………それはお前が一番よく知ってるはずだけど?」 ニヤリと意味深な笑みを浮かべるテッドに首をかしげる。そうだよな、やっぱりテッドは男だよな。 「……夢、だったのか……」 「俺が女の夢でも見たのか」 ぽつりと呟いた僕の声を聞きつけて、テッドがくすくす笑って尋ねる。 「うん。すっごいナイスバディの女の子だったんだよ」 「………女でなくて悪かったな」 テッドの声がちょっと不機嫌そうになって……あれれ?これってもしかして。 「……男でも女でも関係ないよ。僕は『テッド』が好きなんだから」 ぎゅっとテッドを抱き締めると、耳元でテッドが笑ったのが判る。 そう、関係ないんだ。男でも女でも、僕にとって欲しいのはたった一人。 ………でもちょっとだけ、惜しい夢だったかな。 ……男女のH、実に楽しかったです(爆)。どこまで書いていいものやら悩みました(笑) <<-戻る |