「このまま一緒に寝てもいい?」
テッドが呆れた顔をした。
「お前、いつまで経ってもガキだよな。すぐ上なんだし、部屋に帰ればいいだろ」
「今日はテッドと一緒に寝たいんだよ。……駄目?」
上目遣いに見上げてのおねだり攻撃。テッドの『一生のお願い』と同じように、シオンもよくこうやってテッドにおねだりしたものだ。
今はテッドと少しでも長く一緒にいたかった。
書庫で見つけた本も、過去に戻ったことも全て夢で、明日になったら消えてしまうかもしれない――そんな不安に苛まれている。
「ったく、今日だけだぞ」
ほら、と先にベッドに入ったテッドが、布団を捲って招き入れてくれた。上着とバンダナを外し、部屋にあった夜着に着替えると、その隣に潜り込む。
ベッドの中は、テッドの温もりでほんのりと温かい。
「明かり消すぞ」
ランプの明かりが落とされ、真っ暗になる。
狭いので横向きに寝ていると、背中から伝わってくるテッドの熱。
テッドが生きて自分の隣にいる。それがどうしようもなく嬉しくて。
普段寝つきの良い筈のシオンが、この日はテッドの寝息が聞こえてきても、中々寝付くことが出来なかった。


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